~ プロローグ ~


血糖値上昇とインスリンの関係は、脂肪の蓄積に大きく関係することなの。


この機会にちゃんとお勉強しましょ。
脂肪が増えるメカニズムを知ろう

こんにちは、管理人のHAKASEです。
通常は空腹時だからこそ食事をするものですが、それが脂肪を蓄える要因となるなら困ったものですよね。
ですが、これは血糖値上昇を左右する食事の内容や食事の仕方にも密接に関わっており、常に脂肪を蓄えるということではないから安心してください。
ところで、脂肪が増えるメカニズムをきちんと理解している人は意外に少ないようです。
また、脂肪が増える要因に、血糖値やインスリンが深く関わっていますが、思い浮かぶのは糖尿病でピンと来ない方も多いようです。
しかし、たとえあなたが糖尿病でなくとも、肥満においては、血糖値とインスリンのキーワードは切っても切り離せません。
血糖値とは?

人は食事を通して様々な栄養や、身体の活動に必要なエネルギーを摂っていますが、その一部は糖質から摂取しています。
体に取り込まれた糖質は小腸でブドウ糖へと分解され、血管内に吸収されて全身の細胞へ運ばれますが、このとき血液中の糖(ブドウ糖)の量が多くなる、つまり血糖値が上がると言うわけです。
ここで登場するのがすい臓から分泌される「インスリン」です。インスリンは血液中の糖を臓器細胞や筋肉に取り込みやすくしてエネルギーに変換されるのを手伝うことで、人は基礎代謝活動や身体活動を行うことが出来ます。
血糖値と糖尿病の関係
糖尿病とはインスリンの分泌が正常に行われず、血液中に取り込まれた糖が細胞へ吸収しきれない状態、「血糖値が高い状態が続く」病気です。
糖が血液中に残ったままだと、血管内に活性酸素が大量発生し、血管を傷つけ、身体へ正常に酸素や栄養が運ばれなくなり、糖尿病による合併症が発生するから怖いわけです。
ただ、健常な方はインスリンの分泌によって血液中の糖は正常に細胞へ吸収されます。
ところが、この際に糖の量が多すぎると、ブドウ糖が連鎖してつながったグリコーゲンという「貯蔵糖」が合成されるのを促進して、肝臓や筋肉組織に蓄えたり、さらに脂肪に変えて皮下脂肪などに貯蔵してしまいます。


糖質=砂糖、糖質=炭水化物ではない!
糖質を砂糖のことだと勘違いしていたり、糖質=炭水化物と認識されている方がいっらしゃいますが、正確には糖質とは炭水化物から食物繊維を除いたもので、グラフにあるようにいくつかに分類されます。
糖質=炭水化物-食物繊維
それに、多くの人が、糖質と糖類を同じものだと思っていますが、実は違います。
グラフにあるように、糖質はでんぷん、オリゴ糖、デキストリンなどの「多糖類」とキシリトール、ソルビトールなどの「糖アルコール」、アスパルテームやスクラソースなどの「合成甘味料」、そして「単糖類」、「二糖類」で構成されています。
糖類は糖質の一部の「単糖類」、「二糖類」を指します。ブドウ糖、果糖、ショ糖(砂糖の主成分)などがそれにあたります。
最近では「糖類ゼロ」を謳った加工食品や飲料をよく見かけるようになりましたが、あくまで糖質の一部である糖類がゼロだということなので早合点してはいけません。
糖類がゼロでも糖質の成分がゼロではなければ最終的にはブドウ糖へと分解されてしまいます。
脂肪が増える原因はインスリンが関係している
糖質を摂取すると血糖値が急上昇し、それを正常な状態へ戻そうとインスリンが分泌されますが、前述したとおり、このインスリンは糖を細胞に吸収されやすくして血糖値を下げる働きと共に、糖が過剰に摂取されてしまうと、体の中にグリコーゲンや脂肪として蓄えるという性質も持っています。
つまり、急激に血糖値が上昇するとインスリンの分泌もその分増えて、インスリンの働きとして脂肪をためやすい状態を作ってしまうことになります。
このメカニズムは誰にでも当てはまり、脂肪を増やしたくないなら急激な血糖値の上昇を抑え、インスリン分泌を適正量にすることが大切です。
血糖値の上昇がゆるやかになると、血液中の糖はエネルギーとして体内で効率よく消費されるため、太りにくい体になります。
急激な血糖値の上昇を起こさないためには、一度に糖質を多く取り過ぎないようにするか、「食物繊維」の多い食品を一緒に摂る、野菜から食べる「ベジファースト」など、食べ合わせや食べ方を工夫して糖の吸収を穏やかにすることです。
次は糖質を多く取り過ぎないようにするにはどうしたら良いかを中心にお話していきます。
毎日食べる主食には糖質がいっぱい。

普段から糖質を気にかける食生活をすれば、急激な血糖値上昇を防ぎ、脂肪を蓄えにくい体を作りやすいということは想像できるかと思います。
ではどんな食品に糖質が多く含まれているのでしょう。日頃よく食するであろう食品で比較してみましょう。(ライザップ糖質量ハンドブックより参照)
料理(主食)/100g | 糖質 | タンパク質 | 脂質 | カロリー |
---|---|---|---|---|
ごはん | 36.8g | 2.5g | 0.3g | 168kcal |
食パン | 44.4g | 9.3g | 4.4g | 264kcal |
クロワッサン | 42.1g | 7.9g | 26.8g | 448kcal |
そば(ゆで) | 24g | 4.8g | 1.0g | 132kcal |
うどん(ゆで) | 20.8g | 2.6g | 0.4g | 105kcal |
スパゲッティー(ゆで) | 30.3g | 5.4g | 0.9g | 165kcal |
重量は100gで合わせていますが、総じて炭水化物は糖質量が高くります。ライザップなどは、主に炭水化物の摂取を減らすことで糖質量をコントロールするという糖質制限ダイエットの代表格です。
もちろん食事制限だけでなく、独自のトレーニングとの組み合わせで成果を出されていますが、最近多くのトレーニングジムで実践されている手法です。
続いて野菜を見てみましょう。
野菜/100g | 糖質 | タンパク質 | 脂質 | カロリー |
---|---|---|---|---|
じゃがいも(生) | 16.3g | 1.6g | 0.1g | 76kcal |
さつまいも(生) | 29.7g | 1.2g | 0.2g | 134kal |
かぼちゃ(生) | 17.1g | 1.9g | 0.3g | 91kcal |
たまねぎ(生) | 7.2g | 1.0g | 0.1g | 37kcal |
にんじん(生) | 5.3g | 0.7g | 0.1g | 36kcal |
ほうれんそう(生) | 1.3g | 2.2g | 0.4g | 20kcal |
しいたけ(生) | 1.5g | 3.0g | 0.3g | 19kcal |
こうしてみると野菜の中では、じゃがいも、さつまいも、かぼちゃなどは糖質が意外に高いことがわかります。一方、葉野菜やきのこ類は糖質もカロリーも低いので積極的に取り入れたい食材です。
満腹感と満足感を得られる根菜類を抜くのは難しいことですが、量をコントロールすることから始めることは出来ます。

また、意外に見落としがちなのが「きのこ類」です。お野菜の中でも季節や気候によって収穫量が左右されにくいことから、価格は常に安定してお安く買えます。
糖質、脂質、カロリーが低いので、ダイエット中であればお肉との相性はバツグンです。ステーキ肉などの付け合わせをポテトではなく、きのこにしてみるのも工夫のひとつです。
経済的でダイエットにも強い味方の頼もしい食材です。
きのこ類/100g | 糖質 | タンパク質 | 脂質 | カロリー |
---|---|---|---|---|
ぶなしめじ(生) | 1.3g | 2.7g | 0.6g | 18kcal |
エリンギ(生) | 2.6g | 2.8g | 0.4g | 19kcal |
まいたけ(生) | 0.9g | 2.0g | 0.5g | 15kcal |
なめこ(生) | 1.9g | 1.7g | 0.2g | 15kcal |
最後にお肉とお魚も見てみましょう。
お肉/100g | 糖質 | タンパク質 | 脂質 | カロリー |
---|---|---|---|---|
和牛バラ(生) | 0.1g | 11g | 50g | 517kcal |
輸入牛肉(生)バラ | 0.2g | 14.4g | 32.9g | 371kcal |
豚バラ(生) | 0.1g | 14.4g | 35.4g | 395kcal |
ロースハム | 1.3g | 16.5g | 13.9g | 196kcal |
鶏ムネ(生) | 0.1g | 21.3g | 5.9g | 145kcal |
鶏モモ(生) | 0g | 16.6g | 14.2g | 204kcal |
鶏ササミ(生) | 0g | 23g | 0.8g | 105kcal |
お肉は意外にも糖質は低めです。その代わりにタンパク質と脂質、カロリーは高めになります。

筋肉を作るにはタンパク質を多く摂ることが必要ですが、鶏肉(特にササミ)を上手にメニューを取り入れることでタンパク質はしっかり、糖質と脂質は控えめにコントロールすることができます。
ササミは脂身が少なく、人気が高いとは言えない部位ですが、実は価格も安くてダイエットにも向いている食材なのです。
お魚/100g | 糖質 | タンパク質 | 脂質 | カロリー |
---|---|---|---|---|
まあじ(生) | 0.1g | 19.7g | 4.5g | 126kcal |
まいわし(生) | 0.2g | 19.2g | 9.2g | 169kcal |
まさば(生) | 0.3g | 20.6g | 16.8g | 247kcal |
紅鮭(生) | 0.1g | 22.5g | 4.5g | 138kcal |
きはだまぐろ | 0g | 24.3g | 0.4g | 106kcal |
ブラックタイガー(生) | 0.3g | 18.4g | 0.3g | 282kcal |
まだこ(ゆで) | 0.1g | 21.7g | 0.7g | 99kcal |
お魚も糖質は低めです。また、お肉と比較しても脂質とカロリーは低めになります。ダイエットにおいては、お肉(牛・豚)よりお魚に比重を置くと、タンパク質はしっかり摂れて脂質とカロリーは抑えることができます。
お肉をまったく摂らないのは難しいですが、お魚や鶏を使ったメニューを中心に摂る工夫をしてみてください。
ライザップ糖質ハンドブックは素材以外にも、調味料や飲み物、菓子など約1,000種類の「糖質」、「脂質」、「たんぱく質」、「カロリー」、「塩分」、「GI値」を写真付きで解説しています。
持ち運びもしやすい手のひらサイズであなたの心強い相棒になる一冊となりおすすめです。
食べ方の工夫で脂肪をつきにくくすることが可能
糖質の量を減らすことは有効ですが、まったく摂らないということは食べることの楽しみも激減して辛いですよね。糖質は減らしながら、さらに食べ方を工夫することで、血糖値の上昇をゆるやかにする方法を紹介します。
- 食物繊維を意識して増やす
- 食べるスピードを変える
- 食べる順番を変える
- 食べる時間を変える
- 食べ方を変える
食物繊維を意識して増やす

糖質の多い炭水化物にも食物繊維は含まれていますが、微量なのでその他の食材で補うと良いです。
是非摂りたいのは「水溶性食物繊維」で、「麦」、「きのこ」、「海藻類」、「納豆」などが代表的な食材です。食物繊維を摂ると、食後の血糖値上昇がゆるやかになります。
例えば糖質が多く含まれる白米を食べる際には、食物繊維の多い雑穀(麦)を混ぜる、納豆を一緒に摂ることなどを意識することです。
食べるスピードを変える
短時間で一気に食事をすると食べ物がいっぺんに腸で吸収されるため血糖値が急上昇し、インシュリンの分泌が増えて脂肪をためやすくなってしまいます。それを防ぐためには、よく噛んでゆっくり食べることです。
咀嚼回数が増えることで満腹感が得られて食べ過ぎないことや、消化も促進されるから胃への負担も少なくなります。
何よりゆっくり食べることで急な血糖値上昇が抑えられ、インシュリンの分泌も穏やかになり、全身の筋肉や細胞に送られた糖も消費されやすくなります。
食べる順番を変える

同じメニューを食べるにも、何から食べるかで血糖値の上昇をゆるやかにすることが出来ます。一時期テレビ等でも盛んに紹介された野菜を先に食べる「ベジファースト」という食習慣があります。
例えば、まずはサラダ、次はスープや味噌汁、肉や魚、最後に炭水化物(ごはん)を少量という摂り方です。
炭水化物である白いごはんから食べたくなるところですが、食物繊維の多い食材や、糖質が少ない食材から摂ることで糖の吸収が穏やかになり、咀嚼回数も増えてごはんが少なめでも満足感を得やすくなります。
食べる時間を変える
朝昼晩と食事をしますが、朝昼は糖質を多少とっても、日中の活動の中でエネルギーに変えるため脂肪に変わるのを防ぐことができます。
しかし夕食となると話が違ってきます。食べる時間にもよりますが、毎日忙しく遅い時間から夕食を摂ると食べたあとは寝るだけで、摂取した糖質はエネルギーとして使われる量が減り、脂肪へと蓄えられやすくなります。
多くの方が出勤の準備で忙しい朝は食事量の比重は軽く、次に昼、最後に夜はゆっくり満足に食べるので一番比重が重くなっていますが本来は逆です。
できれば夕食は軽めの食事量で就寝の2~3時間前までには済ませておいた方がよいです。
食べ方を変える
どうしてもご飯や麺類を制限するのは難しいという場合は、ごはんは冷たい方が良いです。なぜなら、食品の温度帯で体内での働きが異なってくるからです。
白いごはんや麺類などの炭水化物に含まれるデンプン質は温度が下がると「難消化性デンプン(レジスタントスターチ)」に変化します。
消化されにくい形になるため、体内では小腸で吸収されにくくなり、大腸まで届く結果、血糖値の上昇がゆるやかになるだけでなく、食物繊維と同じように腸のお掃除の役割を果たしてくれます。
~ エピローグ ~



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糖質制限ダイエット?
ひめ、全然わかんない。